海外出戻り男性の未来を占う【金運・鑑定料】
先日鑑定に来られた中年男性は55才で、長年外国に居住していて今年の1月に日本に帰ってきたそうです。
なんでもタイのバンコクに10年近く住んでいたそうですが、ここ最近の円安の影響で生活が厳しくなり海外生活を諦めて日本に帰ってきたとか。
国内で生きていると円安・円高と言われてもピンとこないものではありますが、移住組にとっては死活問題のようです。
・・・で日本に帰ってきたのは良いが、なにせ10年ぶりの祖国も田舎も大変貌、まるで刑務所から出てきた浦島太郎のよう・・とはならないものの、そのテンポの速さに戸惑うばかり・・・。
職業安定所に行って職探しの真っ最中であるが、年齢制限もありなかなか希望職種も見つからないよいうです。
とりあえず身内の弟を頼って居候の身であるが、どうにも弟の嫁との相性があまり良くないので早く出たいんだが、こんなことなら日本に帰って来なければ良かった・・・と意気消沈。。
男「ホントはタイで死ぬつもりだったんです。私は死んでも散骨が希望なのですが向こうで死んでも良かったんですが、散骨してくれる人がいなかったので弟に骨を撒いてもらおうと思って帰ってきたんです」
おーくら「まあまあ、死ぬのはいつでもできるし、いつかお迎えがくるのですから焦らなくとも、ゆっくりと死にに行けばいいじゃないですか」
男「そうは言ってもカネがないし・・・。年をとってからのカネがないってホント惨めっですよね」
おーくら「年金があるでしょう?」
男「年金はあってもそれだけじゃ食っていけないですよ、減るばかりだし・・・」
おーくら「まだお若いんだから、今の日本は仕事なんか選り好みしなければいくらでもありますよ。なにか資格でもお持ちなんですか?」
男「クルマの免許くらいですね」
おーくら「免許があれば充分じゃないですか、運転手でもなんでもできますよ」
男「そーなんですが、蓄えが一銭もないもんですから・・・」
おーくら「一銭もないって・・・、退職金全部使い切ったんですか?」
男「気づいたら一銭も残ってないんですよ、そんな贅沢した覚えはないんですが・・・」
おーくら「・・・、そりゃータイヘンですね・・・」
そんなやりとりのあと、
男「ところで先生、私金運・・ってあるんですか」
おーくら「星を拝見すれば大体分かりますが・・・」
「星」と言うのは、基本的に生年月日を基準にする占術で、人間は自然界から授かった条件というのがあり、財運を生来もって生まれてくる人があり、早速に万年歴をみて計算していったのですが・・・。
おーくら「誠に惜しいですが、財運が見当たりません」
男「ええーーっ、そーなんですか?」
おーくら「宿命にはないんですが、人間の運勢には後天運というのがありまして、だいたい10年ごとに巡ってくるんですが、そちらを計算してみますね・・・」
人間には誰しも等しく「五徳」という幸福が授かってはいますが、これが平均しているのかなると実はそうではなく、子宝が多いと金運が薄くなったり、財運が授かる人には子孫が授からなかったり実に様々です。
世に功成り名を遂げた人でも子宝に恵まれないのは、この運勢の法則によります。
おーくら「おーっ、ラッキーですね。
貴方はあと数年すれば財運の星が巡ってきますよ」
男「ホントですか」
表情が少し明るくなって・・・
おーくら「ええ、60才の還暦を迎えたあたりから徐々にではありますが、確かに財運の星が巡ってきます、ただし・・・」
男「ただし・・・?」
おーくら「現象のズレコミが1、2年あればもう少し年数はかかりますが、間違いなく60才から20年間ほどは金運に恵まれますよ。
つまり、大器晩成型タイプ・・ということです」
男「20年も続くのですか!」
おーくら「そうですね・・20年ほど続きますが、問題はこれからの数年間をいかに過ごしていくかですね。ただ平々凡々と毎日を送るようではダメです。
将来の展望に向かって計画を練り、資格でもなんでも良いので取得してご自分の実力をバージョンアップしていけば必ずや来るべき財運がより一層充実としたものになります」
男「ありがとうございます。いやあーっ、なんだか勇気が湧いてきました!」
おーくら「貴方は特にタイでの長い海外生活の体験があるんですから、その経験・体験をまとめて出版するのもアリですよ」
男「私、文才ななんてありませんよ」
おーくら「日常の出来事を書けばいいだけですよ、自分で書けなければゴーストライターって方法もあるし・・・」
男「いやーあ、嬉しいですね、なんだか希望が湧いてきました。」
おーくら「私と出会ったことが貴方の運の強さですよww」
男「ありがとうございます、おいくらになるでしょうか・・・?」
おーくら「3000円です」
男「スンマセン、いま2000円しかもってないんですが・・・」
おーくら「じゃ足らずの1000円は出世払いということにしましょう」
男「すんません、必ずやお返しにきますから・・・。ホントにありがとうございました・・・」
頭を下げながら足取り軽く男は去って行ったが、ここまでの所要時間はおよそ40~50分、占い師ってホント儲からない仕事なんです