おーくら VS 少年、お金を貸す?貸さない?
街占をやっていますと実に色々な人がいらっしゃいます。
(「街占」については 占いのパターンについて【ロケーション編】 をご覧ください)
悩み相談は当然のこととして、道を訪ねる人、「急に体調が悪くなったので病院に連れて行ってくれ」とか、時には「おカネを貸して欲しい」といった方までがいらっしゃいます。
先日も、19才の少年が「お金を落としたので貸して欲しい・・・」と来ました。
少年A「すいません、僕、川崎の方から来たんですが ついさっきお金を落としてしまって家に帰れないんです。千円で良いですから貸してもらえませんか?」
私は少年の風体を素早く見て、「ピン」と来ました。
それまでも2回ほど来た少女たちに貸して返ってこなかったこともありますが、本当に困っているのか、それとも年配者の情を利用しようとしているのか、一瞬で見極めるのも占い師の眼力が問われます。
・・・というか、「騙しに来ている」ということはすぐに分かったんですが、一計を案じてタロットカードを引かせることにしました。
おーくらの一計
おーくら(以下「お」)「あぁ いいよ 千円で良いのかい?」
少年A(以下、「A」)「はい、スミマセン・・ありがとうございます 助かります。。」
お「そうやって来たやつに今までも何回か貸したんだが、全然返ってきたためしがないぞ」
A「いえ、僕はちゃんと返します。おじさんホント信用してください。僕、ほんと家に帰れなくてこまっているんです!!」
親の連絡先を聴いたりして貸すこともありだったんですが、鑑定の合間に退屈していたんで、少しからかってやることにしました。
お「お前さんがホントに困っているのかどうか?オレは占い師だからウソついたらすぐにバレるんだぞ・・・?」
A「ほんと ウソなんかついてませんって。ホント、困ってるんです。」
お「じゃー、これからお前さんがウソついてないか、ホントに困っているのか占っていくけど、もしウソなんかついて大人をからかっているんだったら承知しないぞ?」
A「いいです、いーですよ。僕はウソなんかついてません。ホントに困ってるんですから・・・」
占い師の私にここまで言い切るんですから 一瞬にでも疑った私の信念も思わずグラつきます。
カードをシャッフルして少年の前で展開する。
A「わーー!! 凄いな!! おじさん、これなんですか?」
お「タロットという占いの道具だよ。これでお前さんが本当にお金を落として、困っているのか、それともウソをついて俺からカネを借りようとしているのか一発で分かっちゃうからな」
一瞬、少年がギクッとした顔をしたのを見逃すはずがありません。
・・・普通の純朴な子供なら、ここで怖気づいて帰るんですが、この少年は大胆にも前に座ってじーっと見届けております。
お「80枚ほどあるんだが、この中から2枚だけ選んでごらん」
少年は手を差し出して並べられたカードの中から2枚を選んでいきます。
出したカードは・・
少年の引いたカード
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ソードのペイジ ・逆位置 |
フール・正位置 |
ソードのペイジ・逆位置&フール・正位置でした。
「ふん、やはりな・・・」と心の中で合点して、フッと見上げたその少年が私を見据えていた眼光の余りの鋭さに思わずゾクッとしました。
お「・・・!!」
数ある深き悩み相談者と対峙してきている私ですが、とても少年とは思われない底光りするその瞳の輝きに背筋に寒気を覚えたものです。
あの瞳の奥から発する底光りは、とてもこの世のものと思えませんでした。
お「再生してきたな・・・?」
占いという普通でない世界に介在していますと「魂の輪廻転生」というのを信ずるしかないほどに「星の組み合わせ」というものに現世と霊界との結びつきを感じざるを得ません。
そして、この再生というものにも「良き再生」と、「そうでない再生」とがありまして、この少年は後者の再生タイプです。
なぜにこういう運勢の仕組みが派生するのか とても人間界では計りし得ない自然界の摂理となります。
お「いま出たカードの意味を一つ一つ言うけど、よく聞いとくんだぞ・・・」
お「1枚目のカードはな、あちこち偵察・スパイに回っている・・・。2枚目のカードはな、無差別に放浪している・・・」
お「2枚を合わせると、あちこち回りながらカネを集めて回っている・・・と解釈するんだ。ホントにおカネを失くして困っているんなら、困ったカードやお金のないカードが出てくるんだぞーーー!!」
驚いた少年は、やっと我に返ってそそくさと逃げるように帰って行ったんですが
その我に返った時の瞳の輝きは、ようやく少年らしい純朴な瞳の輝きに戻っていたことを、見逃すはずがありません。
後姿を見せてそそくさと帰るその少年は、これからどんな人生を歩んでいくのか・・・、考えただけでも恐ろしくなってきます。
相当に因果ある少年で 魂レベルにまで因業深き霊魂 が入り込んでいたようです。
これを 憑依する といいます。